トルコリラ建投資信託の見通しは?繰上償還の可能性を調べてみた。
トルコリラ。。。
FXでリラを手がけている人も多いかと思いますが、投信でもトルコリラは人気です。
今回のトルコショックでの大幅値下がりで、自分が持っている投信の今後の動向が気になる人も多いはず。
かくいう僕もリラ建投信保有者で、もちろん爆下がりしています。笑
そして今からトルコリラ建の投信を買おうと思っている人も含めて、一番気をつけないといけないのが繰上償還のリスクです。
投資信託の繰上償還とは
投資信託の繰上償還とは、当初設定されていた償還期日より前に投資信託が償還されることです。
例えば、2010年10月15日に信託期間10年で設定された投資信託を考えてみましょう。この投資信託は本来なら設定から10年後の2020年10月14日に償還を迎えます。このファンドがこの償還予定日前に償還されることを繰上げ償還と言います。
繰上げ償還は一般的ではありませんが、決してありえないことではありません。投資信託の目論見書には「ファンドの償還条件」(約款では、「信託の一部解約」、「信託契約の解約」、「信託の終了」、「信託契約の解約」など)という項目があり、この中に、どのような条件において繰上げ償還がありえるかが記載されています。
長期保有しようと思って手数料まで払って買った投信が、いきなり値下がりした価額で繰上償還されたらたまりません。
もちろん、そのときの価額でお金は返ってきますが、大損は避けられないでしょう。
現に僕も過去に償還では苦い思い出が。笑
繰上償還はどういった時に発生するのか?
端的に言えば、純資産(ファンドで運用している金額)が一定額を下回った時に発生する可能性があります。
運用会社からすると、規模が小さいと得られる報酬も少ないし、割に合わなくなるんですね。
例えば、今年の7月末に繰上償還になった世界高金利分散債券ファンドの理由もそれですね。
「当ファンドの受益権の口数は50億口を下回る状態にあり、本来の運用目標を達成することが困難になったことから〜」、と繰上償還に関する公告にはその理由が書かれています。
繰上償還が発生する純資産の額はファンドによって異なりますが、だいたい10億円を下回ってくると、かなりのファンドが危ないですね。
トルコリラ建投資信託の繰上償還の可能性は
という訳で、主要なトルコリラ建投信の償還の可能性について調べてみました!
どの投信も7月末から現在にかけて純資産総額が大きく減少していることがわかりますね。
ですが、繰上償還の条件に抵触するほど、純資産が減っているファンドは今のところありません。
例えば、日興ピムコハイインカムソブリンファンドの場合は、繰上償還の条件を純資産が10億円を下回った場合としていますが、現時点でこのファンドの純資産は290億円あります。
この状況では、繰上償還は考えにくいです。
このファンドの利回りは20%を超えていますので、2024年の信託期間の終了までに、単純計算で80%超の利回り収入を得ることも可能です。
為替の値下がりが続けばどうなるかわかりませんが、償還さえしなければ現在のマイナスを取り戻すチャンスはあるはずです。
ちなみにトルコボンドオープン等の繰上償還の条件にある「30億口」の口っていうのは投資信託を取引する単位であり、だいたいの投信が設定時は1口=1円でスタートしています。
なので、基準価額が動くに連れて変わりますが、とりあえず「30億口」=30億円と考えていいです。
あと、繰上償還の理由にある「やむを得ない事情が発生した時」っていうのが気になりますが、これも基本的には純資産額が少ない時に起こるようです。
例えば、「チャイナ内需関連株式ファンド」の繰上償還は、中国株の短期的な大幅下落と大量の解約が重なったことによって発生していますが、もともと純資産額が少ないため、大量の解約に対応できなかったということです。
まとめ
投資信託で一番避けたいのは、強制的に損切りさせられる可能性がある繰上償還です。
今回取り上げたトルコリラ建ファンドはまだまだ純資産額も多いため、現時点で繰上償還される可能性は低いでしょう。
ですが、7月からからみると急激に純資産が減少していることは事実なので、定期的に純資産額の状況をウォッチすることをオススメします。
もちろん、ないとは思いますが、たとえ純資産が多くてもトルコリラがデフォルトしたりすれば、その限りではありませんが、それはもう誰にもわかりません。笑